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広島県針工業協同組合事務局 井盛 厚子さん~Gorai’インタビュー~

入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.14

いのもり

井盛 厚子さん

【広島針の技術研究、販促・普及活動ほか】



生産量日本一の広島針。縫い針は「全国シェア100%」

「広島針」の製造は、三百数十年前に始まったという。

もともとは、藩主の浅野家が、下級武士の手内職として普及させた。第一次世界大戦の頃から飛躍的に伸び、その後、「広島針」はその品質の高さから、海外市場にも大きく名を知らしめるようになった。

バブル期には、50~60もの針製造会社がここ広島にあったというが、現在、広島県針工業組合に所属している会社は17社。

数こそ減ったが、個々の強みを活かし、「広島針」を国内外に販売している。

日本一の生産量を誇る「広島針」。

縫い針は全国シェア100%、待ち針は97%でそれぞれ1位。家庭用ミシン針は49%で第2位という功績だ。


世界で認められる高品質「広島針」を知ってもらうために

「広島針」全生産量の73%は海外輸出用で、広島針の品質の良さは、世界的に認められている。

広島県針工業組合では、広島針の品質向上のための研究や、国内外への展示会出展など、「広島針」ブランドの普及に務めている。井盛さんが同組合事務局で働き始めて33年。

良い時期も、苦しい時期も、共にしてきた。

行政の補助金を受け、技術向上のための研究も、積極的に行った。広島針が折れにくく長持ちするのは、固さと共に必要な柔軟性を持たせるための、熱処理の技術が優れているから。また、糸の通りが良いのは、研摩や成形技術の成せる技。

世界に認められる「広島針」の品質は、安くてすぐ折れる針とは、その製造技術が全く違うのだ。



フランクフルトや上海ほか、世界の見本市にも、積極的に参加してきた。


「広島でもっといいものを作って、世界へ出そう!」

品質にこだわり、リーダーシップを発揮するのは、理事長の原田耕太郎氏(チューリップ株式会社/代表取締役社長)。同社の市場は90%が海外。英語はペラペラだという。

そんな理事長のもと、井盛さんは、組合全体での統計をとったり、各社の情報交換を図るなどし組合の活動をアシストしている。

平成19年には、広島市の「ザ・広島ブランド」The Hiroshima Brand.の認定も受けた。

最近では、パッケージデザインでどう付加価値をつけて売るか、ということにも積極的に取り組み、「広島針」の更なる普及に力を入れている。



趣味はヴィオラ。市民オーケストラにも所属

事務局 井盛さんの仕事はデスクワークが殆どだが、近隣であればイベントのアシストにも出向く。先日、商工センターで開催されたイベント「ひろしまキッズシティ」にもブース出店し、バーチャル店舗で子どもたちが一日店長を体験したり、フェルトを使った手芸づくりの手伝いをした。


「子どもたちが、夢中になる姿が、嬉しい」

と、井盛さん。

ご自身は、子どもの頃にジュニアオーケストラで弾いていたヴィオラを、10年前からまた始めた。二人の息子さんは結婚や就職で県外へ。今は、趣味を楽しむ余裕もできた。広島市市民オーケストラにも所属し、60人もの楽団員、20~30歳代の人に交じって、数百人の聴衆を前に演奏もする。息子のような若い人に教えられることもあり、それもまた楽しい。土日には、気の合う仲間とのアンサンブルも楽しむ。

次の演奏会には、SO@Rビジネスポートの入居メンバーを招待してくださるとか。

仕事も趣味もバランス良く楽しみ謳歌する、そんな井盛さんとの出逢いから、遠ざかっていた音楽との距離が、少し縮まりそうだ。


インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴

掲載日:2013年7月31日

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