入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.73
株式会社宿力 上里(あがり) 辰行さん
【ホテル、旅館コンサルティング業務(Web集客・財務コンサルなど)】
能登の旅館「百楽荘」奇跡の復活ノウハウを全国へ。
本社を東京に、機能の中枢を京都に置く宿力。
強みは、宿泊業や旅行業界経験者のプロ集団による集客支援。
全国各地の旅館やホテルの売上改善、アナログ指導、OTA代行操作、新たな宿泊施設のプロデュース、コンサルティングなど手掛けている。
取締役会長の萩原聡彦氏が、母親の実家である石川県能登半島
「百楽荘」の旅館再生を任されたのは、約25年前にさかのぼる。当時は「売上が芳しくなく、利益を出すために非常に困難である経営状態の旅館であった」
と、萩原会長。
団体の旅行者ではなく、インターネットを中心に個人旅行にターゲットを絞り、レベニュー強化でまずは利益を出し、その後お客さまに喜んでもらえるよう施設の改装、サービスの強化を繰り返し、「売上2.6倍、平均単価3.7倍」を実現。以降ほぼ毎年増収増益を達成し、2015年には「楽天トラベルアワード北陸エリア 金賞」を受賞した。
奇跡の復活を遂げたそのノウハウを、日本の伝統文化である旅館業を未来に残すために生かそうと、2014年7月、株式会社宿力設立。翌2015年に佐伯尚志氏が社長に就任し、現在に至る。
※百楽荘サイトのスクリーンショット
プロ集団で結果を出し、10年間で社員は40名超に。
上里さんは12年前から本事業に加わり、全国各地で旅館の立て直しに関わってきた。
「単なる、Web集客の操作代行ではない」
と、上里さん。
ホテル、旅館様の財務状況を知ったうえで、業界経験者が各々の得意分野を受け持って、Webのコンサルから撮影のコーディネイト、従業員の指導に至るまで行い、経営改善・売上アップに繋げる。
「地方に出張の際には、現地のBARやスナックを訪ねる」
という上里さん。そこで地元の旅行業者さんや宿の社長などとの出逢いもある。
「銀行からの紹介や、お客さんであるお宿の社長、リノベーションを請けた建築士などから紹介されるケースも少なくない」
設立当時10名程度だった社員は、現在約45人。
10年間での急成長は、信頼と実績の積み重ねによる。
徹底した顧客目線。旅館で学んだ経験を活かして。
広島市出身の上里さん。京都の大学に進学し、東京で就職。いったんは営業職に就いたが、旅行が好きで、
「本当は旅行会社で働きたかった」
たまたま手にした求人誌で、宮島の旅館の求人を目にし、この業界に飛び込んだ。
「”掃除”と”清掃”は違う」
”掃除”と違い、テーブルの裏まで拭いたり、床を乾拭きしたり、手に持ったスポンジでトイレのふちの裏まで拭いてにおいの原因を除くなど、お客さまが”清潔感”を感じるレベルまでするのが”清掃”。
宴会場で脱いだスリッパを隣の部屋と競い合って整えたり、お客さまが万一開けるかもしれない押入れの中の、布団の折り目まで揃えるなど、そこで徹底的に鍛えられたという。
約10年を経、今後のキャリアを考え、楽天トラベル株式会社に転職。房総半島全域、伊豆箱根、宮島、萩・津和野で旅行の営業に約7年間携わり、再就職で宿力に。
利益を上げるには、売上を伸ばすだけではなく、
「経費削減や人の生産性向上、そして、顧客目線が重要」
業界でのこれまでの経験が、クライアントへの経営アドバイスや、従業員指導などに生きている。
実家のある広島市を拠点に。
東京に本社を置き、京都、大阪、名古屋、福岡に営業所を持つ宿力。上里さんが担当する地域は、伊豆や箱根、北関東、甲信越、東北など幅広いが、実家のある広島市で仕事をするため、新たにSO@Rビジネスポートに拠点を構えた。
「SO@Rのアットホームな雰囲気がいい」
と、上里さん。
SO@Rで開催する、起業家やクリエイターなどが集う交流会にも、積極的に参加。
「入居者同士が自然に挨拶し合う関係が、心地よい」
その言葉に、人との出会いを大切にする上里さんの人柄が表れている。
インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴
掲載日:2024年12月24日
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